飛騨高山のお祭大好き行政書士

行政書士のお仕事内容とその他もろもろ。

経審 各要素の解説(2)

X点について


X点は、工事種類別年間平均完成工事高評点(X1)と、「自己資本額」「平均利益額」評点(X2)の2種類があります。


X1は、業種毎に年間平均完成工事高(小数点第1位四捨五入)を求め、その額を評点テーブルに当てはめて求めます。
X2は、自己資本の額又は平均自己資本の額を求め、その額を評点テーブルに当てはめて求めた数値(X21)と、平均利益額を求め、その額を評点テーブルに当てはめて求めた数値を足して2で割って算出します。


→どちらも激変緩和措置があり、X1は2年平均か3年平均、X2の自己資本の額は審査基準日の年度単年のみか、2年平均のいずれかを選択できます。つまり4通りのパターンのうち1通りを任意に選ぶことができます。年度ごとに、工種ごとに、完成工事高のばらつきがあるのが通常なので、その会社の事情を考慮して、会社として注力したい工種の点数が最も高いパターンを選ぶことになります。

経審 各要素の解説(1)

評点の計算方法


経審の点数は、X点からZ点を計算して、総合評定値(P点)を出します。各要素の内訳は下記の通りです。


X1:完成工事高評点→各工種ごとの完成工事高によって評価します。
X2:経営規模評点→会社の経営規模(自己資本)によって評価します。
Y: 経営状況分析評点→財務諸表等のデータを用いて評価します。
Z: 技術力評点→技術者の資格と元請完工高で評価します。
W: その他(社会性)評点→社会的貢献度の評価をします。


これらを下記の計算式に当てはめて総合評点(P点)を出します。


☆総合評点(P)=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15W (小数点第1位四捨五入)


これを受審業種ごとに計算していきます。

経営事項審査(経審)について

建設業許可を取り、いざ公共事業に参入!となると、自治体に入札参加資格申請を出さなければなりません。これを出さないと、競争入札による工事は受注できません。随意契約(随契)はこの限りではないのですが、役所サイドで説明責任が生じることなどから、随契でも入札参加資格者名簿から選定するのが通常です。なので、実質的に入札参加資格申請が必要となります。この入札参加資格申請をする上で必要になるのが、経営事項審査(経審)です。


経営事項審査とは


公共事業の入札に参加するためにはいくつかのハードルがあります。その中の一つが経営事項審査(経審)です。
経営事項審査とは、国、地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする場合には、必ず受けなければならない審査です。公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされています。この資格審査にあたっては、欠格要件に該当しないかを審査したうえで、「客観的事項」と「発注者別評価(主観的事項)」の審査結果を点数化して順位・格付けが行われます。このうちの「客観的事項」にあたる審査が「経営事項審査」です。
経審は、どの機関が行っても結果は同一となるべきもので、この審査が建設業行政と密接な関係にあることから、建設業の許可行政庁が実施することとなります。例えば、岐阜県知事の許可でしたら岐阜県が、大臣許可でしたら国交省(地方整備局)が行うこととなります。


対象となる公共工事


経営事項審査を受けなければ直接請け負うことができないとされる工事(公共工事)とは、次に掲げる発注者が発注する施設又は工作物に関する建設工事で、建設工事1件の請負代金額が、500万円以上(建築一式工事の場合は、1500万円以上)のものとなります。
 (1)国
 (2)地方公共団体
 (3)法人税別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く)
 (4)上記に準ずるものとして国土交通省令で定める法人
→(3)の例として、国立大学法人、JRA、NHKなど。(4)の例として、NEXCO、JT、NTTなどです。


但し、次の建設工事については、対象から外れます。
(1)堤防の欠壊、道路の埋没、電気設備の故障その他施設又は工作物の破壊、埋没等で、これを放置するときは、著しい被害を生ずるおそれのあるものによつて必要を生じた応急の建設工事
(2)(1)のほか、経営事項審査を受けていない建設業者が発注者から直接請け負うことについて緊急の必要その他やむを得ない事情があるものとして国土交通大臣が指定する建設工事


審査基準日


経営事項審査では、原則として申請をする日の直前の事業年度終了日(直前の決算日)が審査基準日となります。審査基準日は直前の事業年度の終了日であるため、申請時に既に新しい審査基準日を迎えている場合、従前の審査基準日では審査を受けることはできません。


有効期間


経営事項審査の有効期間は、結果通知書(経営事項審査)を受領した後、その経営事項審査の審査基準日から1年7ヶ月の間です。この「1年7ヶ月」の期間は、審査基準日から起算されるものであり、結果通知書を受け取ってからの期間ではありません。
公共工事の受注には、契約締結日の属する1年7ヶ月以内が審査基準日の経営事項審査を受け、その結果通知書の交付を受けていることが必要です。これは、公共工事発注者の入札参加資格の有無とは関係なく、公共工事の受注そのものに対し義務付けられるものです。
従って、毎年公共工事を直接請け負おうとする場合は、有効期間が切れ目なく継続するよう、毎年決算後速やかに経営事項審査を受ける必要があります。
例えば3月決算の場合、経審の有効期間は。翌年の10月です。なので具体的なスケジュールとしては、5月税務申告→6月or7月受審→8月or9月通知書の交付といった感じで期間の途切れがないようにしていかなければならないのです。なお、事業年度が終了したら、別途年度終了届の提出が必要です(経審を受審する際の提示書類となります)。


経審の仕組み


経営事項審査は、次に掲げる事項について、数値による評価をして行います。(建設業法第27条の23第2項)
・経営規模(X)
・経営状況(Y)
・技術力(Z)
・社会性等(W)


Y点は別途分析機関で分析をしてもらう必要があります。これを「経営状況分析」といいますが、弊所ではこの分析申請の代理もやらせて頂いております。弊所はワイズ公共データシステム㈱への経営状況分析申請の代理申請者として登録されております。
弊所はY点のコンサルティングも行っております。Y点は、基本的には長期的な取組で点数アップをするのが通常ですが、決算期直前にする取組でも少ないですが点数アップが可能です。詳しくはご相談ください。