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経審 各要素の解説(3)

Y点について


Y点は、決算報告書の数値から下記の8つの指標を算出します。この計算は自分でする必要はなく、経営分析機関に申請して計算してもらうことになります。8つの指標ごとに導き出される点数は、それぞれ下限と上限があり、無限にプラスになったり無限にマイナスになることはありません。
ここでは分析指標の計算式を示します。中身は別に詳しく説明します。


①純支払利息比率(R1)=(支払利息-受取利息配当金)×100÷売上高
下限:5.1 上限:-0.3(小数点第4位四捨五入)※計算結果が低い数値程高評価になるため、「-0.3」を上限値としています。


②負債回転期間(R2)=(流動負債+固定負債)÷( 売上高÷12)
下限:18.0 上限:0.9(小数点第4位四捨五入)※計算結果が低い数値程高評価になるため、「0.9」を上限値としています。

③総資本売上総利益率(R3)=(売上総利益 ×100)÷((前期総資本+当期総資本)÷2)
下限:6.5 上限:63.6(小数点第4位四捨五入)
※個人の場合、売上総利益=完成工事総利益
※総資本=負債純資産合計
※総資本(2期平均)=3000 万円に満たない場合は、3000 万円 とみなす


④売上高経常利益率(R4)=(経常利益 ×100)÷売上高
下限:-8.5 上限:5.1(小数点第4位四捨五入)
※個人の場合、経常利益=事業主利益


⑤自己資本対固定資産比率(R5)=(自己資本×100)÷固定資産
下限:-76.5 上限:350.0(小数点第4位四捨五入)

⑥自己資本比率(R6)= 自己資本 ×100 総資本
下限:-68.6 上限:68.5(小数点第4位四捨五入)


⑦営業キャッシュ・フロー(R7)=((前期営業キャッシュ・フロー+当期営業キャッシュフロー)÷2)÷1億

下限:-10.0 上限:15.0(小数点第4位四捨五入)
→営業キャッシュ・フロー= 経常利益+減価償却実施額-法人税住民税及び事業税±引当金増減額±売掛債権増減額±仕入債務増減額±棚卸資産増減額±受入金増減額
※引当金=貸倒引当金 (注1)
※売掛債権=受取手形+完成工事未収入金(注2)
※仕入債務=支払手形+工事未払金 (注1)
※棚卸資産=未成工事支出金+材料貯蔵品(注2)
※受入金=未成工事受入金 (注1)


⑧利益剰余金(R8)= 利益剰余金÷1億

下限:-3.0 上限:100.0(小数点第4位四捨五入)
※利益剰余金=利益剰余金合計
※個人の場合、利益剰余金=純資産合計


この8つの指標を次の数式に当てはめます。
A=-0.4650×R1 -0.0508×R2 +0.0264×R3 +0.0277×R4+0.0011×R5 +0.0089×R6 +0.0818×R7 +0.0172×R8 + 0.1906(小数点第3位四捨五入)


そして最終的にY点を求めます。
Y=167.3×A+583(小数点第1位四捨五入)


このY点を攻略していくことがP点アップの王道であると思います。これは別にお話しします。ちなみに⑦と⑧の指標は大企業向けの指標で、中小企業では大きく影響しません。