飛騨高山のお祭大好き行政書士

行政書士のお仕事内容とその他もろもろ。

行政書士試験の概要(2)

受験資格

受験資格は特にありません。学歴や国籍を問いません。従って、中卒や高卒でも、外国人でも受験は可能です。また年齢による制限もありません。ちなみに令和5年度試験の最年少申込者は9歳、最年少合格者は13歳(!)でした。

試験日・試験時間

試験機関は(一社)行政書士試験研究センターです。
試験日は、例年11月の第2日曜日です。令和5年度は11月12日でした。
試験時間は13時~16時の3時間です。休憩時間はありません。長丁場ですので、いかに集中力を切らさずに臨むことができるかも重要です。

試験科目・出題範囲

行政書士試験は、法令科目と基礎知識に分かれます。基礎知識は、2023年の試験までは「一般知識」と呼ばれておりました。これについては、令和5年9月に告示された「行政書士試験の施行に関する定め」に次の内容で載っております。
「行政書士の業務に関し必要な基礎知識(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解の中からそれぞれ出題することとし、法令については、試験を実施する日の属する年度の四月一日現在施行されている法令に関して出題するものとする。)」
2023年までの試験では、一般知識の中に「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」の文言はありませんでした。2024年の試験からは、行政書士法等が出題されることとなります。残りの政治・経済・社会分野、情報通信分野、個人情報保護法関連、文章理解は従来通りの出題です。
個人的には、つかみどころのない政経社の問題よりも、行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法等の法令の問題の方が取っつき易く、学習しやすいのではないかと思います。
それ以外は従来の通りと思われます。試験科目は下記の通りです。設問の数は例年だとこのような配分となります。出題範囲は、試験を実施する日の属する年度の4月1日現在に施行されている法令となります。
法令択一式(5肢択一)→1問4点です。基礎法学(2問)、憲法(5問)、行政法(19問)、民法(9問)、商法・会社法(5問)
多肢選択式(20の選択肢のうち4つを選ばせる問題)→空欄1つにつき2点です。憲法(1問)、行政法(2問)
記述式(40字程度で書かせる問題)→1問20点です。部分点があると言われております(この点はブラックボックス化しており、どの部分に点数がつく、といったことは公開されておりません。例えば1問が満点で、それで合格点に届くようなら、残り2問は部分点なしで、ということもあり得ます)。行政法(1問)、民法(2問)
基礎知識(5肢択一)→1問4点です。全部で14問です。2024年はどのような配分になるかわかりませんが、これまでは、政経社が7問程度、情報通信が2~3問程度、個人情報保護が1~2問程度、文章理解が3問です。2024年の試験は、おそらく政経社の部分に諸法令が入るのではないかと思われます。6問以上の正解必須です。

合格ライン

この試験は足切りラインがあって、そのラインに届かなければその時点で不合格です。
(足切りライン)
基礎知識(一般知識)→4割以上の得点(24点以上/56点)
法令→5割以上の得点(122点以上/244点)

(合格ライン)
全体→6割以上の得点(180点以上/300点満点)


となります。
基礎知識は14問×4点×0.4=22.4点 ∴1問4点部分点なしなので6問(24点)以上取らないと、法令科目でどれだけ良い点数が取れても足切りです。
法令科目は244点×0.5=122点以上ということで、122点を下回ると足切りです。現実問題として、法令科目122点では基礎知識が満点でも合計178点で合格点に届きません。124点なら基礎知識満点で180点ちょうどとなり、合格点に届きます。

合格率

気になる合格率ですが、ここ5年は下記の通り推移しております。
(合格者/受験者=合格率%

  • 令和5年度 6,571/46,991=13.98%
  • 令和4年度 5,802/47,850=12.13%
  • 令和3年度 5,353/47,870=11.18%
  • 令和2年度 4,470/41,681=10.72%
  • 令和元年度 4,571/39,821=11.48%

おおむね10%を超える合格率で推移しておりますが、年度によっては10%を切ることもあります。総じて10%前後と思って頂いて差し支えないかと思います。ここ何年かは合格率が良くなっておりますが、だからと言って問題が易化しているのかというと、そうとは言えないところです。
受験者数はここ数年で5万人に迫る勢いで推移する人気資格です。2023年、2022年ともに前年度を下回っていて漸減傾向ではありますが、受験者数が他の法律系の資格と比べて多いことは疑いのないところです。