行政書士試験の概要(3)
法令科目の内容
それでは各法令科目について見ていきます。
基礎法学
基礎法学は例年2問出題されます。基礎法学なので基本出題範囲というものはなく、下記の通りなかなか捉えどころがなく苦労するところですが、2問中1問は正解したいところです。
(過去3年の出題)
令和5年:法の趣旨、法人について
令和4年:欧米の裁判観の違い、法令用語
令和3年:刑罰について、法の効力
憲法
憲法は、主に人権と統治に分かれます。令和5年度は人権は2問、統治は3問でした。人権は判例を中心に、統治は条文を中心に学習していくと良いかと思います。また多肢選択式も1問出ます。多肢選択式では主に判例が出てきます。
行政法
行政法は、択一式では、例年、一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法、複合問題という順番で出題され、全部で19問出題されます。令和5年度は、法理論3問、行手3問、行審3問、行訴3問、国賠2問、自治3問、複合2問でした。多肢選択式は2問出ます。行政法の多肢選択式では、判例や条文の穴埋め等が出題されます。記述式は1問です。
行政法の学習のメインは、はっきり言って過去問です。過去10年の過去問をつぶしていけば、かなりの確率で類題に遭遇します。但し過去問を覚えてしまうというのは応用が効かないのでダメです。もちろん過去問だけ学習していれば良いというわけではなく、六法やテキストへのリンクもしておくべきです。択一式で19問中15問は正解したいところです。満点も目指せます。
民法
民法の2023年の択一式は、総則2問、物権1問(令和5年は譲渡担保)、債権5問、親族1問の合計9問でした。司法書士は、登記がメインということで物権法が多く出ますが、行政書士は、債権法が比較的多く出題されます。とは言え物権と債権は出題数にばらつきがありますのでまんべんなく学習する必要があります。記述式は2問出題されます。判例も出題されるので、偏った学習では厳しいです。択一式で9問中5~6問は正解したいです。
商法・会社法
例年商法から1問、会社法から4問出題されます。商法と会社法の中でも設立はほぼ毎年出るテーマなので、必ず押さえておく必要があります。5問中2問は押さえたいです。
点数配分
法令問題の例年における点数配分は下記の通りです。
- 基礎法学 択一2問×4点=8点
- 憲法 択一5問×4点+多肢選択1問×8点=28点
- 行政法 択一19問×4点+多肢選択2問×8点+記述1問×20点=112点
- 民法 択一9問×4点+記述2問×20点=76点
- 商法会社法 択一5問×4点=20点
∴合計244点
上記からもわかる通り、メインの学習は民法と行政法です。民法はここ何年かでダイナミックな改正が行われております。改正条文はしっかり押さえておきましょう。
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